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ピルを使った安定した避妊

「ピル」というのは英語で単に「錠剤」のことを意味していますが、定冠詞を付けて呼ぶ場合には、「経口避妊薬」を特定する表現として用いられており、わが国でも一般的になっています。
ピルの主要な成分は、自然な状態では女性の卵巣で産生されている卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2つのホルモンを人為的に合成したものになります。これを服用すると、ホルモンの濃度が体内で上昇するため、脳はすでにホルモンが必要な量だけ分泌されているものと錯覚して、体内でのホルモン産生をやめてしまいます。その結果として、卵巣からの排卵が起こらなくなるため、受精して妊娠することもなくなるというメカニズムになっています。
現在国内で流通しているピルのほとんどは「低用量ピル」という種類のもので、副作用を避けるため、卵胞ホルモンの配合量を限りなく少なくしています。低用量ピルは、生理周期にしたがい原則として毎日1錠ずつ飲む必要がありますが、飲み続けている以上は安定的に避妊効果が発揮されます。逆に、もし飲み忘れがあると、卵胞ホルモンの量が少ないだけに避妊効果が薄れて失敗してしまうこともあります。
このほかにも、わが国では男性がゴムを装着して避妊をする方法がポピュラーであり、調査によれば国民の7割から8割程度がこの方法であるといいますが、ゴムがずれたり、裏返しに装着するなどして避妊に失敗することも比較的多いものです。
このように避妊に失敗してしまった場合には、産婦人科を受診して緊急避妊薬を処方してもらえば、事無きを得ることができます。緊急避妊薬というのは、黄体ホルモンを成分としたピルの一種ですが、これを決められた錠数だけ一気に服用すると、緊急に妊娠を防ぐことができるという優れた製品です。ただし、緊急避妊薬は72時間以内に服用しなければならず、妊娠してしまってからでは効果が発揮できません。

緊急避妊薬を使用したのに妊娠

緊急避妊薬は、主に女性の卵巣の黄体から分泌される黄体ホルモンを人工的に合成した成分が含まれている錠剤(ピル)で、避妊に失敗してしまった場合に服用することによって、妊娠が成立する前にこれを防止することができます。
緊急避妊薬を服用すると、体内でホルモンの濃度が急激に高くなり、一定の時間を経過すると、代謝されて濃度が低下し、体外に排出されます。このホルモンの作用によって、排卵が抑制されるとともに、子宮内膜の厚みが充分に保たれなくなるため、妊娠が不可となる効果が期待されます。
この緊急避妊薬を使用する効果はきわめて大きなものがありますが、すべてのケースに対して完全に避妊が可能というわけではありません。わが国ではじめて国の承認を受けた緊急避妊薬は、もとはフランスで1999年に承認されたものですが、こうした海外での臨床試験のデータを見たところでは、正しく緊急避妊薬を服用したとしても、2パーセントほどの女性は妊娠してしまう、要するに避妊に失敗していることがわかります。
また、せっかく服用した緊急避妊薬の効果を弱めてしまうような行為についても、避妊失敗のリスクがあるために慎むことが必要となりますが、それには他の医薬品やサプリメントとの併用などが挙げられます。例えば、抗けいれん薬やHIV感染症治療薬の一種、またはセントジョーンズワート入りのサプリメントなどには、緊急避妊薬が体内で代謝されるのを促進する効果のある成分が確認されています。こうした医薬品やサプリメントと一緒に服用してしまうと、緊急避妊薬の有効成分が体内で分解されて、トイレのときに排出されてしまうため、十分な避妊効果が得られないとされています。