着床してからでは遅い緊急避妊薬

緊急避妊薬は、避妊に失敗するなどのできごとがあった時から、できるだけすみやかに、期限としては72時間以内に服用することによって、妊娠することそのものを阻止するための医薬品ですので、妊娠が成立してしまってから服用したとしても、まったく効果がありません。
わが国で緊急避妊薬として専用で製造されているタイプの医薬品は、黄体ホルモンという女性ホルモンを有効成分としているもので、これを服用すれば、女性の体内におけるホルモンの値が急激に上昇し、その後代謝されて減少します。このことによって、卵巣という器官から排卵がされることが防止されたり、子宮頚管からの粘液によって受精が防止されたり、子宮内で受精卵が着床するのが防止されたりといった作用が起こるため、結果として妊娠まで至らずに済むということになります。
妊娠というのは、子宮内膜に受精卵が着床することによって成立するものですので、72時間以内という有効期限も、受精から着床までに平均的に必要となる時間から逆算した数字です。避妊をしないで性行為をした場合も、実際には妊娠しない確率がそれなりに高いことから、このタイムリミットの72時間以内に服用できなかったとしても、かならず妊娠に至ってしまうというわけではありませんが、期待した効果は得られないものとされています。
なお、妊娠してしまった状態であるのにも気づかずにこの緊急避妊薬を服用してしまった場合についてですが、仮に赤ちゃんを産むという選択をした場合であっても、その赤ちゃんに悪影響が及ぶ可能性はないものとされています。これは、そもそも黄体ホルモンは女性が自然にもっているホルモンのひとつであって、妊娠中には逆に体内でその濃度が高くなるということによります。